Fitness Business65
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March-April 2013 ◎ Fitness Business 6515News & Trends注 目 の 動 きさらに機器導入により、ガス料金の割引契約も適用されるという、環境性と経済性の両方に嬉しい効果をもたらす。ちなみに、「ジェネライト」の利用に関しては、機械室のフェンスに「この施設はガスコージェネレーションを採用しています」と書かれた看板を掲示し、会員さまと近隣住民への周知に努めている。会員とともに取り組む環境対策GHPや「ジェネライト」のほかでも、より一層の省エネを推進していくためには、会員さまの協力も欠かせない。同社では節電および節水について、会員さまにも協力をお願いし、施設一丸となって取り組んでいるという。例えば、節電については、自動消灯されない場所ではこまめに電気を消すよう意識していただく、日中、光が差し込む場所では、照明をつけず、自然光のなかで運動していただくなどの協力をお願いしているのだ。また、節水については、シャワー室に節水コマを設置したり、トイレを自動水洗にしたりといった対策をとっている。当然スタッフにも意識改革を促している。「水温や使用量のチェック結果については、全社で目につきやすい場所に掲示し、常に意識するようにしています。節電や節水は1人が努力して達成できるものではありません。皆が一丸となって取り組むものですから」(髙橋氏)。このような取り組みが、お客さまやスタッフの環境への意識を着実に高めているに違いない。オペレーションで 日々積み重ねる省エネ対策ロンド・スポーツでは、日々のオペレーションについても工夫している。例えば、日中夜間通じて、水温が設定温度以下になると自動点火するよう設定されているボイラーについて、同社では次のような調査を行った。まず、前述のシステムが稼働しないように、営業終了後にボイラーの主電源をオフにした場合、朝になるとどの程度まで温度が下がるのかを調査。次に、そこからプールを加温させるときに使用するエネルギーと、ボイラーの発停システムを夜通しつけていた場合と、どちらのエネルギー消費のほうが大きいかを検証したのだ。その結果、営業終了後にボイラーの主電源をオフにし、翌朝加温させるほうがエネルギー消費量が少ないことが明らかになった。この結果を受け、今後オペレーション方法を変えていくことを検討している。また、室内の温度も水中での体感温度に影響を与える。同じ水温でも、室内温度が高ければ冷たく、反対に低ければ温かく感じるということだ。現在は、最も効率的な水温と室内温度についても調査しており、快適性と省エネを両立できる最適温度の設定を目指している。各種検証によって得た知識などは、毎月行う事業所会議でも発表している。会社にとって有益な情報や、成果をあげた取り組みについては皆で共有し、改善を図っているのだ。さらに髙橋氏は、「特定の人だけがその機器についてよく理解している、という状況をつくらないように心がけています。必ず若手でもボイラーの温度チェックをさせたりすることによって、機器についての理解を促しています。支配人だけでなく、ほかの社員も同じレベルの知識を備えていれば、緊急時にもうまく対処できるはずですから」と述べる。未来に向けての環境対策髙橋氏は、今後の課題を次のように挙げる。「照明のLED化が今後の課題です。当社では、まだLED照明を導入している店舗がほとんどありません。当然ながらイニシャルコストがかかりますから慎重に検討しなければなりませんが、環境のことを考えれば必要であると考えています」。また、これまで老朽化した施設のリニューアルとして、重油から都市ガスへの転換を行ったが、そうした環境対策の実現には、日頃からの情報収集が欠かせない。より充実した省エネ計画を立てるには、積極的に省エネルギーに関するセミナーなどに赴き、知識を得ることも大切になろう。ロンド・スポーツでは、これからも各施設の特徴を加味しながら、地域と環境、会員さまを満足させる最善の策を模索していく。◆表2

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