Fitness Business 60 ◎ May-June 201282ティップ.クロス TOKYO新宿注目クラブライフスタイルから変える先進のジムティップネスの都心型新ブランド「ティップ.クロス TOKYO」を冠した2号店が、5月6日、新宿にオープン。昨年4月、ティップネス渋谷の全面リニューアルに続く「ティップ.クロス TOKYO」店となる。五感マーケティングを採り入れた空間演出や、ユーザー一人ひとりの目的を叶えるための新しいトレーニングメソッドの提案、新宿店だけでしか受けることができない数々のユニークなグループレッスンなど、渋谷店以上に進化した新型ジムが誕生した。NiceClubティップ.クロス TOKYOブランドの店舗が昨年4月の渋谷に続き、新宿にも誕生。同ブランドは、ティップネスが推進する都心型店舗の新ブランドである。旧ティップネス新宿を全面リニューアルし、1号店以上に進化した姿で5月6日にオープンを迎えた。同社は、ここ数年お客さまとのリレーションをどう構築していくか、とりわけジムにおいてどうお客さまとの関係づくりを進めるか、またそのための空間づくりはどうあるべきかをテーマに、特に都心店のマーケティングを追究していた。そのひとつの方向性として「ファンクショナルトレーニングを提案の中心に据え、質の高いインストラクションやレッスンを提供していくこと」(ティップネス常務取締役本城和彦氏)に辿り着いた。その背景について、同社都心店営業部長上野和彦氏は次のように説明する。「フィットネス市場は施設数は増えているものの、規模にはあまり変化が見られず、競争環境として厳しさを増しています。若年層の入会減などもあり、会員の高齢化が進むとともに、フィットネスクラブ自体のコモディティ化も進んでいます。この問題を解決するには、新たなマーケティングで市場を喚起し、特定の顧客層を捉えていかなければいけないと思いますが、実際にはこれまでサプライヤーサイドからお客さまの生活がよくなるための新しいライフスタイルの提案や、お客さまが『自分のためになる』と感じる新しい価値提案がきちんとなされていなかったと思うのです。そこで、こうした反省を踏まえて、この状況を打破する戦略を考えようということになりました」。その結果、同社は3つの戦略の柱を立てた。すなわち、(1)「脱」既存フィットネスクラブのイメージ、(2)ティップネスとしての「まったく新しい業態」提示、(3)「都心だからこそ」可能な時代の先取り(消費リーダー層からの支持奪取)である。そして、これらを反映した最新アウトプットとして今回の「ティップ.クロス TOKYO新宿」を生みだした。都心に店舗を数多くもち、その長い運営経験から得たソフトなど、資源を豊富に備えるティップネスだからこそ実現できた店舗といえよう。同店のターゲット・コンセプト・ポジショニングについて確認しよう。ターゲットは「Empowerment Person(時代に前向きな人)」。これは、かつて大量消費やブランド志向の時代の消費者像と違い、社会とのバランスを考慮し、時代の先端にいたいと願う知的消費リーダーを目指す。同社は、このターゲット像に対応すべく、運動や成果を売るのではなく、「生活価値」を売ろうと企図している。そして、顧客にとって「自分の都市生活に新しい可能性が開ける存在になろうと考えた」(上野氏)という。コンセプトとして、 P83表にある概念を掲げ、それを「ティップ.クロス TOKYO」というネーミングに込めることにした。ポジショニングとしては、郊外エリアを中心に生活者の健康で快適な生活を支援しているティップネスや、ビジネスエリアに特化したニーズに対応したMARUNOUCHI STYLEとは一線を画し、既述した
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