Fitness Business 60 ◎ May-June 201272フィットネス業界の未来Feature特 集8月に開業を予定しています。インストラクターを共有し、昼は介護予防施設、夜はフィットネスクラブとして“二毛作”営業をします。これは、ある地方の商店街の活性化事業のひとつで、商店街が事業主体となり、自治体から補助費を得て行う事業です。ひとつのパターンが確立できれば、異なる商店街にも横展開できますので、スピーディーに展開することができます。低投資、低料金、高客単価の実現これからフィットネスクラブを開発する際には、あまり施設や設備を広くし過ぎないように注意することが大事です。フィットネスクラブは温浴施設などとは違うのです。容易に異業種の真似をしても駄目です。運営面ではもっとサプリメントの販売に力を注ぐとよいでしょう。フィットネス初心者向けのオリエンテーション、カウンセリング、初期プログラムなどをきちんと整えていることが大前提ですが、その流れがきちんとつくれれば、これらの流れのどこかでサプリメントをお勧めすると、スムースに購入していただくことができます。サプリメントをとる習慣をお客さまがもてば、トレーニングへの意欲も増します。また、自宅でできるトレーニングのコンテンツも拡充し、ネットなどでその方法を無償配信することも大切になります。一般的に週に2〜3回来館してトレーニングすることが理想といわれていますが、実際にそれができる人はかなり少ないのが現状です。ならば、このようにお伝えすることが必要でしょう。「もしどうしても週に1回しか(クラブに)来ることができないなら、ご自宅でこのトレーニングをするといいですよ。ネットでやり方をお教えします。科学的データに裏付けられた初心者向きの有料プログラムです。こうしたプログラムにより、初期定着の促進と客単価のアップを図るとよいでしょう。若年層の入会の少なさが業界の問題点としてしばしば取り上げられますが、低価格ジムやホットヨガスタジオには、一般的な総合型クラブとは逆に若年層が多く在籍しています。ホットヨガスタジオに入会されたお客さまに「どうしてこのスタジオに来られたのですか?」と訊くと、「ネットで『ヨガ』と検索しました」と答えます。つまり、若者は今流行っているモノやコトについてワンワード検索をし、できるだけ専門性の高いところに行きたいと考える傾向があるということです。そうだとすると、総合型クラブは若者には「なんでもあるけれど、ボヤっとした存在」として映っているのではないでしょうか。総合型クラブは一見使い勝手もよさそうですが、実はLCCの飛行機に乗るようなもので、専門スタジオのレッスンに参加するときのように、自分の場所をあらかじめ指定することができません。ヨガスタジオはあらかじめエクササイズする場所が小割りされナンバリングされているため、ネットで自分の好きな場所を選んで予約することができるのです。そこに若者は、スマート感、フィット感を感じます。スクールが好まれるのも同様な理由からでしょう。介護予防との複合業態の開発直営店舗以外に広がりをみせるだろう展開としては、介護予防施設があるでしょう。今、要支援対象の介護予防施設、託児所、フィットネスクラブが融合した延床面積300坪程度の業態の開発に取り組んでおり、1度の割合で土・日に特別割引で利用を促すメールを配信します。こうしてつながっておくと、再入会してくださるお客さまもいるのです。また、既存会員の方にもできる限りメールアドレスをご登録いただき、ダイエットに関する情報や紹介キャンペーンの情報などを定期的に配信していくことも重要です。総合型と大衆型は競合しない総合型クラブの真横に低価格で小規模、コンビニエンスな大衆型クラブをつくったとしても、それほど競合することはありません。これまでの私の経験では、そうした構図でも既存の総合型クラブにまったく反応しなかった生活者が、新規に出店した大衆型クラブに反応しています。既存の総合型クラブも決して成り立たないわけではなく、相応の在籍者を確保できています。一業態でエリアのすべての生活者を満たそうとする時代ではないのです。一企業が業態を違えてエリアをドミナント化することはできるでしょうが、今ある複数の総合型クラブだけでエリア内のすべての生活者のニーズを満たすことは極めて難しいでしょう。既存の総合型クラブは、常連客の要求に相応に応えなくてはならず、初めてフィットネスに取り組む生活者を受け入れる態勢がとれないのです。ここに大衆型クラブが存在感を示す余地があるのです。プログラムのほとんどを初心者向きにして、相応の初期対応をしていくとよいでしょう。若年層のニーズに対応した オペレーションの導入これから大衆型クラブに広がるだろうプログラムとしては、既述した通り、姿勢矯正や骨盤矯正などの医
元のページ
https://fitnessclub.jp/business/e-book/fb60/index.html#72