May-June 2012 ◎ Fitness Business 6071フィットネス業界の未来特 集Feature供して成果をあげ、身体面、生活面での変化についてお客さまにわかっていただけるように対応することが大切です。価値の見える化クラブの価値の伝え方を上手にすることもこれからは重要になります。クラブは、お客さまが求めた成果を達成できることを、もっときちんと伝える工夫と努力をすべきです。お客さまがどんな期待をもって入会し、まずは初期プログラムで、その後はそれに続くプログラムでどんな成果をあげたのかをお客さまにご認識いただいたうえで、ストーリー仕立てにしてYouTubeや会報などにアップし、広く入会見込み客に見ていただくようにするのです。これからは、クラブもメディア化していくことが求められます。お客さまの成功事例を編集することによって、入会のプロモーションだけでなく、館内セールスやカウンセリング、さらには新入社員のリクルートや従業員満足の向上にも役立てることができます。ビジョンを語り、挑戦機会の提供を従業員満足が顧客満足につながることはいまや周知の事実でしょうが、その実現に最も重要なことは、新規出店をするなど、従業員が常にチャレンジし、キャリアアップにつながる機会や環境をつくることでしょう。経営者は新規出店の計画を含めて会社の将来ビジョンを社員にきちんと発表すべきです。さらに、それからどうキャリアアップしていけばよいかも教えるべきです。先輩社員がステップ通りに進んでいけば、若い社員も「いつか自分も支配人になれる」と考え、学習を怠らず、日々の仕事にも懸命に取り組むことでしょう。だから能力が伸びるのです。さらに、ツールやサプリメントなどを2次セールスし、ここでもお客さまに満足していただきながら付帯収入を増やし、収益性を高めていくようにします。「初期プログラム」の導入入会初期のプログラムとしては、かつてのノーチラス理論のようにシンプルでわかりやすいセオリーに支えられたものを用意することが必要です。それをワンオペレーションで各トレーナーが自信をもって提供していくことが大事になります。ここをマネジメント層がきちんとディレクションできないと、日本の小規模業態は成長していけないでしょう。世界的に流行しているようなグループエクササイズプログラムは、会員定着には効果的ですが、実は集客にはそれほど大きなインパクトがありません。よくチラシやホームページで「○○プログラム、エリア初導入!」のように大々的にアピールしているクラブがありますが、これで集客が促されていると思っているとしたらそれは幻想です。自クラブはどういうポジションをとるのが相応しいか、特徴的魅力を何にするのか、どういう打ち出し方をすればよいかなどについて、しっかりと皆で議論したうえで考えをまとめ、共有化すべきです。さらに、最前線では自クラブに相応しい初期プログラムを提コンテンツ活用の重要性マーケティングについては、ソーシャルメディアを活用するのはよいことだと思います。今後より活用が進むものと思いますが、大切なことは、そうしたメディアに何を載せるのかということです。会員さまの成果をまとめたものや、そのクラブの歴史、クラブを利用するとそれぞれの生活者がどう変わっていくのかといったことを、いきいきと描いたコンテンツを載せるのです。例えば、昼になんとなくテレビを見ていると、思わず惹き込まれてしまうドラマがありますよね。最後に「これを飲めば骨粗鬆症を防げます」とか「健康づくりに青汁を1日1杯」などといったナレーションが入り、ここでやっとサプリメントの宣伝だと気づきます(笑)。イメージとしてはそんな感じです。アメリカのフィットネスクラブのHPを見ると、多くのクラブが「フィットネスをするとこんなに人生が豊かになります」といったことを訴える美しい映像が実際の会員さまをモデルにしてつくられ、流されています。日本でももっとこういうことをすることが大事です。退会者ともメールでつながる退会を希望された会員さまにも「完全退会」ではなく、クラブのOB・OGとして「登録会員」になれることをお勧めし、メールなどでつながっておくことが大切になります。退会を希望された会員さまに定期的にメールなどで情報をお流しし、さらにビジター料金で利用できる「登録会員」(実質無料)をお勧めした場合、私のこれまでのデータではおよそ50%の方が承認してくださいます。この登録会員には2週間に◆図 将来のフィットネス業界の構造3.大衆型1.専門型2.総合型
元のページ
https://fitnessclub.jp/business/e-book/fb60/index.html#71