May-June 2012 ◎ Fitness Business 6063フィットネス業界の未来特 集Feature候面から難しいと感じています。ただ、トライアスロンのスクールは好評であり、これについては今後も安全面に十分配慮しつつ段階的にプログラムの拡充を図っていきたいと考えています。介護予防については、将来的に拡大が期待できる分野だと思います。現状ではこれに特化した店舗を展開することは考えていませんが、将来にそなえ、医療機関や行政と連携し、機能回復のトレーニングを受託するなどのトライアルは始めています。現在のところ、注力したいと考えているのは、新業態ではありませんが、スクールです。とりわけ、キッズスクールはここ数年確実に伸びていて、導入店舗の拡大もあり’11年のスクール在籍人数は5年前の’06年に比べて2倍以上の水準になっています。同業の大手他社と比べるとまだ規模的に劣るものの、当社ならではの付加価値を提供するスクールとし、今後さらに拡大していきたいと考えています。ブームが参加率を後押し参加率を高めるには、常識的に考えると生活者の健康意識を高めることが必須となるのでしょうが、なかなか生活者は思うように行動してくれません。若い女性を中心にかつて流行したエアロビクスやヨガ・ピラティスのようなブームを作り出すことを考えるのが一番の方策かと思います。今後業界が成長していくためには、各社間の健全な競争も必要になるでしょう。合理性を欠くダンピングなどは結果的にこの業界の価値を下げ、自らの首をも絞めることになってしまうので避け、各社が強みを活かし顧客価値の実現を目指す正攻法で競い合えたらいいと考えています。店より高めの料金設定となっていますが、想定を超える会員数を獲得し、好調に推移しています。’11年4月にはティップネス1号店の渋谷店を大規模に改修し、都心店ならではの新たな価値を提案する新業態「ティップ.クロス TOKYO」として再スタートしました。丸の内同様「パーソナル・ソリューション」をキーコンセプトに店舗設計したのですが、若年層が多い渋谷という立地特性も勘案し、スピニングやファンクショナルトレーニングフィールドなど、新しいグループエクササイズのコンテンツも導入しました。料金設定も丸の内同様、既存のティップネス各店より高めの設定になっていますが、20〜30歳代の若年顧客層も誘引し、順調に立ちあがっています。’12年5月には新宿店も「ティップ.クロス TOKYO」にリ・ブランディングしています。直近ではスクールを強化・拡充ティップネス丸の内スタイル、ティップ.クロス TOKYO以外の業態の開発も現在進めていますが、現時点で出店を決めているモデルはありません。ティップネス・ワンでも経験しましたが、女性をメインターゲットにしたクラブはかなり難しいと感じています。問題は、高付加価値・高単価業態の場合、投資に見合った会員数が確保できるのか、また、低単価業態の場合、当社が考えるサービスレベルを担保したうえで、尚かつ事業性を追求できるのか、という点です。アウトドアのフィットネス・トレーニングについては、ランニングセッションを中心に各店舗で積極的に取り組んでいますが、専門特化した業態を運営するのは、安全面や天ていたのでしょうか? 施設の改修やマシンの導入といったハードだけでなく、カウンセリングの拡充や接客スキルの向上といったソフトの向上も大きな課題といえるでしょう。当社ではFMS(ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン)などの測定・評価サービスを含むボディドックの実施やその結果に対応して身体の改善、メンテナンスができるショートプログラムの提案・提供、あるいはコーチングやカウンセリングといったヘルスコミュニケーション力を高めるスタッフ研修などの成果から、継続率が確実に向上してきています。FMSなどを含むボディドックでは、入会後の1ヶ月間に3回の個別カウンセリングを提供しますが、お客さまからの評価も高く、継続率向上につながっているため、今後も地道に取り組んでいきたいと考えています。パーソナル・ソリューションを コンセプトにした新業態の開発新業態の取り組みでは、’09年9月に開業した「ティップネス丸の内スタイル」がお客さまから好評です。キーコンセプトは「パーソナル・ソリューション」です。体組成バランス、姿勢、食行動などの分析結果をもとに、豊富な知識・スキルをもったトレーナーがお客さま一人ひとりの理想や課題にマッチした最適かつ効率的なプランを提案・提供し、これをサポートしていくことを主眼としています。そのために、しっかりしたカウンセリングのできるプランニングセンターや、お客さまが効率的にトレーニングできる個人用トレーニングスペース(ワークアウトブース)を設置しています。他店と比べ充実した要員体制を組んでいることもあり、既存のティップネス各
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