Fitness Business 60 ◎ May-June 201256フィットネス業界の未来Feature特 集自治会、町内会、消防団などの活動に加え、地域に溶け込む活動をするなかで、クラブを身近に感じていただけるようなアプローチをクラブ側からも積極的にしていくことが重要だと思います。それには、まず我々がフィットネスを実践していることが大事です。身をもってフィットネスに取り組み、そのよいところを周りにいる人々に伝えていくことは大事です。その姿を若いスタッフが見て感化され、同じようにフィットネスに取り組み、そのよさを周りに伝え、さらにその姿に感動された周りの人々がフィットネスをするようになっていくという循環をつくることが大事だと思います。たダンス業態の『THE☆STAGE』を’12年度中に2店舗、’13年度中に5店舗まで開業することをすでに発表していますが、これ以外に延床面積500〜1,000坪程度の総合型業態のクラブも毎年少なくとも1軒以上コンスタントに出店していく予定です。その一方で、収益性が改善できない店舗については、当然閉店するというジャッジもしていかなくてはなりません。地域密着が重要今後フィットネスクラブが成長するために最も大事なことは、もっと地域に密着して、店舗周辺の生活者から本当に必要な存在と認められるようになることでしょう。商店街、げをさらに伸ばしていきたいです。また、将来に向けては、介護予防の指導受託などのヘルスケア事業をもっと伸ばしていきたいと考えています。早稲田大学エルダリー・ヘルス研究所などと共同してプログラムの開発とトレーナーの養成に取り組み、直営店がある地域の自治体や親会社が開発したマンションなどにトレーナーを派遣することを積極的に行いたいと考えています。このほか、キッズ対象スクールの売り上げ向上や法人会員の獲得、法人利用の促進などにも継続して取り組んでいきたいと考えています。総合型業態も継続出店新規出店については、既述しまし総合クラブは価値拡充へ、新業態・新事業も開発〜展開進む株式会社ルネサンス 代表取締役社長執行役員 吉田正昭氏Future 10価値提供型のクラブづくりと ヘルスケア人材の育成これからのフィットネス業界は、これまでの延長で進むことは決してないと思います。大きく分けると施設提供型と価値提供型とに分かれていくのではないでしょうか。後者は、お客さまの立場で健康づくりをサポートできる体制が整っていて、お客さまが価値を感じて喜んで在籍してくださるクラブです。経営的にも相応の客単価を維持でき、相応の利益があげられます。こうしたクラブはトレーナー・インストラクターらがお客さまお一人おひとりの目的を叶えるための手段として、健康づくりや仲間づくりをきちんとサポートできていて、そのことにお客さまが価値を見出せています。だから、ほとんどのお客さまは辞めません。当社は、こういうクラブづくり、人づくりを通じて社会に貢献していきたいと考えています。人づくりという点では、フィットネスクラブに通っていないクラブ未利用・未体験の生活者の方々の健康づくりも担えるような、いわゆるヘルスケア人材を育てていきたいと考えています。こうした人材に私たちが開拓したヘルスケア関連の仕事を積極的に提供し、外に出向いてもらい、生活者の健康づくりのお手伝いをしていただけたらと思っています。日本に健康づくりを根付かせるためには、待っていてはいけません。こちら側からどんどん外に出向いて運動の大切さや、それぞれの方々に相応しい方法をわかりやすく伝えることが大切です。異業種参入や新業態・新事業が 既存勢力を脅かす可能性もこれからは、これまでのフィットネス業界のプレイヤーでない異業種のプレイヤーがもっと参入してくることでしょう。例えば、食品メーカーであれば、最初は健康セミナーのようなかたちで参入してきて、やがてプログラムも提供し、さらに簡易なジムスペースを設けて、そこで
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