May-June 2012 ◎ Fitness Business 6053フィットネス業界の未来特 集Featureドメインを「フィットネス」とせず、「健康」と捉えていくことが大事だと考えます。スクール事業以外では、ホームフィットネス事業に取り組むかもしれません。これは購入者を見込み会員として捉え、アプローチしていくイメージで考えています。共存共生これからの時代においては、通常の方法では「日本復興はありえない」との考えに立つことも大事でしょう。つまり、最悪の状態に陥ったとしても、生き残れることが大事だということです。そのためには、業界は不振でも自社だけは生き残れる状態にしておくことが大事になります。強い者が生き残るのではなく、そこそこの者が生き残れるのです。「共存共生」がこれからのキーワードになるのではないでしょうか。す。世の役に立つことで、働き甲斐を感じることができるような方向で考えたいと思います。ドメインを「健康」と捉え、 多様な未来を展開新規出店については、長期的にはありえますが、現在はその地合にないと考えています。継承物件で、先方さまのニーズに当社がお応えできるクラブがあるのなら、その限りにおいて出店を前向きに考えたいと思っています。一方、スクール事業には積極的に取り組みたいと考えています。その理由は、事業ポートフォリオに組み入れ、経営的にリスクヘッジをしたいからです。一事業への過適応を避けるとともに、将来の成長につながるように本業にシナジーがある事業に取り組んでいこうと考えています。そういう意味ではミュニケーションがもっと大切になるでしょう。当社には、遠くは大阪・高槻にも事業所があります。かつては私が出張して幹部何人かと会議するだけでしたが、今は関東圏のスタッフも含め、30人ほどを毎月本社に集めて会議と研修を行っています。研修のなかでは、一人ひとりのスタッフと意識してコミュニケーションをとるようにしています。また、毎回何人かに必ずプレゼンテーションをしてもらうようにもしています。人材教育を徹底しないと企業は成長できません。今後も注力していきます。目標管理制度の見直しも必要です。目標管理制度と昇級昇格制度をリンクさせると、徐々に目標が低くなってしまう傾向があります。チャレンジしていきいきと仕事ができる評価制度に変えていきたいと考えていま需要を創造をする業態・サービスを創出、参加率の向上を実現株式会社東急スポーツオアシス 取締役執行役員 運営本部長 向井宏典氏Future 9多様化する業態大震災の影響もあり、一時期落ち込んでいたフィットネス業界ですが、震災からしばらくして生活者が健康の大切さを以前より強く意識するようになってきたからでしょうか、国内の景気の回復と同期するように、参加率はこのところ徐々に上向いてきているように感じます。将来に向けて、多様な業態の施設が増えていくにつれ、さらに参加率は増えていくのではないでしょうか。これまでは、総合型業態が市場の大半を占めていましたが、今後は様々なコンセプトの小規模業態や、アウトドアでランニング教室を提供したりする施設レスの業態など、多様化していくものと思います。当社もブルーオーシャン戦略に基づいた独自の新しい業態を創出し、その多店舗展開に今期から挑みます。ブルーオーシャンを実現する 新しい事業の創出社内では、「海プロジェクト」と名付けて、役職や部門を超えたメンバーで編成された5チーム33名が中心となって、ブルーオーシャンを実現する需要の創造を目指したのですが、そのプロセスがたいへんクリエイティブで刺激的でした。これからの時代はこうしたプロジェクトマネジメントファシリテーションが重要になってくるものと実感しています。プロジェクトでは、「日本のブルーオーシャン戦略」の著者である安部義彦氏、池上重輔氏に直接サポートしていただきながら進行しました。まず始めたことは、会員・非会員を問わず多くの方への「探査」で
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