Fitness Business 60 ◎ May-June 201240フィットネス業界の未来Feature特 集極小型小型クラブ公共施設中型クラブ後に参加率を10%に実現するためにはどのようにしたらよいか、そのための試案を考えました(図1参照)。これからその案についてご説明します。健康ナビゲーション型クラブ今後、少子高齢化はますます進むものと予想できます。今までのフィットネスクラブは、大型・中型総合施設が多く、三種の神器を備え、いつでも、どこでも、自由に利用できる「楽しさ追求型」の総合クラブでした。名称や施設アイテムは多少変わりましたが、基本の考え方、システムは今までとほとんど変わらず、参加率の伸びが停滞しています。しかし、大・中型総合施設は建築費などイニシャルコストが高く、資金回収には長い時間がかかります。出店には大きく豊かなマーケットが必要です。また、そこは競合が少ないことが望ましいこともあり、次第に出店可能な立地が少なくなり、新規出店が減少しつつあります。一方、スタジオ単体、コンビニ型、サーキットタイプなどの極小施設は今後も多くの出店が見込まれます。女性専用、24時間などの形態をとり、スタイルは多様で出店も容易です。しかし、退店も早く、数は多く出店できても参加率の大幅アップは見込めないでしょう。今後は、高齢化に向かい「健康ナビゲーション型」目的別クラブが必要になるのではないかと考えています。メディカルフィットネスも一部台頭していますが、本気で実現を考えるとき、医療機関との連携はコストもかかえるうえ規制も多く、たやすい展開は不可能です。そこで私は、柔道整復師の活用とワークアウトを組み合わせた、健康志向が強く、特徴のある目的別プログラムを提供できる、「スタジオ+ジム型」の小型施設を考えました。イニシャルコストを抑え、都心のオフィス街にも、ターミナルのショッピングゾーンにも、住居地にも出店が可能です。延床面積300〜400坪、月会費料金8,000円程度、できればワンフロアで、スタジオ(1面)、ジム、ロッカー、シャワーにプラスαで温浴などが併設できれば、投資も少なく出店が容易です。多様な業態によるドミナント化私の考えるマーケットの店舗構想は、大型店1店、中型店1店、スタジオ+ジム型数店、極小店舗数店、公共施設1〜2店でドミナントを形成していくことです。たとえば、人口20万人のマーケットの参加率を10%に上げ、参加者数を2万人とするためには、同じ種類の施設を多数つくるのではなく、目的や利用形態の違う店舗を適正に組み合わすことが必要と考えています。その意味でもある程度の規模をもち、多店舗展開にも可能なフレキシブルな形態の店舗が必要とされます(図2参照)。アナログを見直す今の世の中は、ハイテクなIT機器やデジタル化で、トレーニングメニューもコンピュータ化・自動化さ◆図1 フィットネス施設のポジショニング公共施設指定管理者制度による民間運営高級クラブメディカルフィットネス女性専用サーキット中規模スポーツクラブスタジオ+ジム+プールスイミング中心型クラブ付帯施設として温浴施設大型・総合フィットネスクラブヨガ・ダンススタジオ時間従量制・コンビニ今後の注目!スタジオ+ジム特長豊かな目的別プログラムが必要月会費平均金額施設規模330㎡5千円10千円30千円1000㎡3300㎡6600㎡◆図2 マーケット構想
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