May-June 2012 ◎ Fitness Business 6039フィットネス業界の未来特 集Featureます。また、FacebookやTwitterなど の活用もアメリカのエニタイムフィットネスでは進んでいますので、日本でも今後取り組んでいこうと思っています。上場しているような大手企業はコンプライアンス上、ソーシャルメディアなどを活用しにくい面もあると思いますので、そこを逆手にとり、例えばFacebookでインストラクター、トレーナーとお客さまを直接結び付けてコミュニケーションするなど、独自の活用方法を考えてみたいと思います。さらに小規模なタイプにも挑戦これまで日本のエニタイムフィットネスの標準的モデルは半径0〜1kmで居住人口3〜4万人、半径0〜2kmで居住人口10万人程度の商圏に、延床面積90坪程度の施設を確保し、500名の会員数を維持するモデルでしたが、’12年5月に開業する三田/赤羽橋店では、延床面積を75坪程度とよりサイズダウンしたタイプに挑戦します。商圏のパワーの強弱により適切なモデルを構築して出店し、いずれのタイプでもサクセスフルに店舗運営できるようにしたいと考えています。より小規模なタイプでもきちんと利益を出せるようでしたら、地方も含め出店候補立地はかなり増えると思います。将来的には所得水準の高いエリアで延床面積を50〜60坪程度と、もっと抑えてサービスを手厚くし、客単価の高い成果志向型ジムに挑戦してみてもいいのではないかと考えています。課題は退会率の改善日本の参加率を高めるためには、何よりもっと出店することが必要です。そこにおいて、特にエニタイムフィットネスのような業態の果たす役割は大きいと思います。月会費を7,000円程度に設定できて、損益分岐会員数を500名以下にできる立地があれば、積極的に出店していきたいと考えています。「私たちが展開するこの業態が生活者から受け入れられないようなことがあれば、日本人がフィットネスを習慣化することも、このフィットネス業界の発展もない。エニタイムフィットネスはフィットネスで日本人を健康にするための最後の砦だ」というくらいの覚悟をもって今は経営しています。出店を除いた日本のエニタイムフィットネスの最大の課題は、現在単月で4〜5%と高めの退会率(通年では3%前後)をアメリカ並みの2%台に抑えることです。人員配置やシフトの強化などの運営面の見直しを行うことや、入会初期のサポートを適正化するなどしてそれを実現したいと思います。既存の総合型クラブの近くに出店することが多くなると思いますが、よさを追求した経営、運営をすることでそれぞれが成り立ち、お互いにシナジーが得られますので、お互い必要な努力を精いっぱいしていきましょう。健康ナビゲーション型クラブを軸にしたドミナント展開で参加率向上株式会社マイズ 代表取締役社長 八木伸一氏Future 3参加率の停滞私は38年前、スイミングのコーチとして当時の株式会社ピープルに入社しました。入社して10年後、フィットネス事業のはしり「エグザス」ブランドがスタート。当時は「ジム+スタジオ型」で開設、運営し、若者のファッションとして芸能人やプロスポーツ選手なども多く入会され、一世を風靡しました。次に、当時急成長していたスイミングスクールに、ジム、スタジオを加えたいわゆる「フィットネス事業における“三種の神器”」のフォーマットが完成しました。さらにその後、温浴施設とフィットネスゾーンを融合させた大型のフォーマットも開発しました。フィットネス業界は参加率の向上を目標にしていましたが、当初から掲げていた目標10%に今も届くことがないばかりか、あまり大きく変化もしていません。店舗数や市場規模こそ大きくなっているものの、参加率の停滞には忸怩たるものがあります。株式会社コナミスポーツ&ライフを退社後、外部から業界全体を見て、フィットネス事業について改めて考えました。そして、5年後、10年
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