May-June 2012 ◎ Fitness Business 6035フィットネス業界の未来特 集Feature材に加えて、最前線で価値あるプログラムやサービスを提供し、お客さまとよい関係を維持し続けることのできる人材がいる会社がこれからは生き残り、成長していくということです。カウンセリング力や運動、栄養についての知識・スキルを身に付けたトレーナー・インストラクターの方々が小型施設を開業し、サクセスフルに運営するというケースも増えてくるでしょう。またその一方で、欧米で今増えているバジェットクラブのように、トレーナー・インストラクターによるサービスを思い切って減らしたセルフサービス型の施設も増えてくることでしょう。さらに、女性専用サーキットトレーニングジムのような施設を運営している会社が業容を拡大し、介護予防ビジネスに本格的に参入していくということも起こるでしょう。すでに同じ施設で介護予防サービスを提供しているところもあります。ビジネスモデルイノベーション高齢化や健康ブームなど、健康ビジネスにはフォローの要因がたくさんみられます。家賃などの水準もこれから下がってくるでしょう。総体として、出店コストも下がると思い小型施設の時代、鍵は人材力これからの日本はますます高齢化が進んでいきます。すると、移動時間や移動コストをあまりかけたくないと思う人が増えてきます。そうなると、商圏はますます縮小していくことになります。すでにスーパーマーケット業界はそういう状態になっています。同じ理屈でフィットネス業界もそうなるでしょう。これまで大型施設が大半を占めていましたが、これからは小型施設が増えていくでしょう。アイテムを絞り、24時間営業にするなどコンビニエンス性を高めた小型施設です。例えば、それはジム単体施設であったり、ホットヨガやピラティス、ストレッチなどを提供するスタジオ単体施設であったりします。こうした施設は小型ですから初期投資もかかりません。したがって、ソフトの資源さえもっていれば、与信力や資本がある大企業でなくても参入できるわけです。ということは、最終的には人材力の勝負になるということです。お客さまが価値を感じるプログラムやサービスを効率的に提供してマネタイズできるスマートなビジネスモデルを考えることができる人ます。しかしながら、個々のプレイヤーにとってアゲインストとなる要因も少なからずあります。例えば、水道光熱費などは上昇すると予想されます。これまでも節電、節水には取り組んできていますが、今後もさらなる対策が必要になるでしょう。また、産業のボーダレス化も進むでしょうから異業種からの参入も多くなり、競争はより激化するものと思います。もしかすると、まったく新しい切り口からビジネスモデルを構築し、ブルーオーシャン戦略で業界の既存プレイヤーを一挙に弱体化させてしまうようなプレイヤーが出てこないとも限りません。パーソナルトレーナーとの協業これからの時代に最も光があたるのは、パーソナルトレーナーの方々だと思います。日本のフィットネスのトレンドは、これまでも欧米のフィットネスのトレンドを追随してきているようなところがありますから、専門的なプログラムや高いスキルを売りにしたパーソナルトレーニングジム、24時間営業でコンビニエンス性の高いセルフサービス型のジムなどが増えてくるのは確実です。そうなると、いずれの業態であⅠ企業規模や業界を問わず今後成長するだろうと思われる先進のフィットネスクラブ経営企業トップにフィットネス業界の未来像を予測してもらい、自社が向かう方向性とそこへ向かうステップ、手法などについて具体的に話を訊いた。既存店のマネジメントから組織活性化のためのリーダーシップ、新しいマーケティング手法、イノベイティブな事業展開など、未来に向けた成長戦略を考えるうえでたくさんのヒントが得られることだろう。Future 先進企業トップの見解Future 1 パーソナルトレーナーが活きる小型施設が拡がる株式会社オカモト ジョイフィット・ヘルステック・カンパニー 社長執行役員 加藤信也氏
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