May-June 2012 ◎ Fitness Business 6017ファンクショナルトレーニング導入クラブが急増「IHRSAコンベンション&米国クラブ視察研修ツアー」レポートNews & Trends注 目 の 動 き本誌編集部は、2012年3月IHRSAコンベンション&米国クラブ視察ツアーを開催。L.Aのクラブを視察後、IHRSAコンベンション&トレードショーに参加した。ファンクショナルトレーニングが業態を問わずスモールグループでのサーキットトレーニングなどの提供形態で完全に各クラブに定着している様子を知ることができた。また、バジェットクラブやマイクロジムが増える一方で、一般的な総合業態をとる既存クラブが特徴を明確化したうえで、緻密な経営手法、定着志向の運営手法に取り組み、生き残りをかけている様子も知ることができた。ここでは主な視察クラブの概要について紹介したい。■ZUMwww.clubzum.comシアトルのダウンタウンにあるファンクショナルトレーニングジム。グレイインスティチュート(シアトル)でファンクショナルトランスフォーメーションを学び「シナジーセンター」(東京・白金台)を経営しているソマティックシステム株式会社谷佳織さんから紹介していただいたジムだが、およそ考えられる限りのすべてのファンクショナルトレーニングができるほどの設備を備え、さらにそれが空間的にもよくデザインされたクールなジムになっている。ぜひ併せてクラブのウェブサイトの画像もチェックしてみてほしい。オーナーは、元オリンピックの砲丸投げ選手Peter Shmock氏で、シアトルマリナーズのストレングス&コンディショニングディレクターをしていた15年前からファンクショナルトレーニング中心の現在のジムコンセプトを構想し、当初はマイクロジムからスタートしたが、2年前に現在の場所に移り、規模も数倍に拡張した。「ライフアスリート」をコンセプトに、人々が単にトレーニングで身体づくりをするだけでなく、サスティナブルでエフィシェント、エンジョイアブルに人生を送れることをサポートすることを目指している。具体的に、(1)様々な動きを取り入れたサスティナビリティのある身体づくり、(2)メンバー・スタッフを問わずお互いにインスパイアされたり、モチベーションが高められるコミュニティ、(3)快適な空間の提供などをセリングポイントにしている。全米中にファンクショナルトレーニングを取り入れたジムが増えるなか、同クラブはフィットネス初心者が筋肉の使い方やフォームを学びやすいように従来型のウェイトマシーンも配置。これに身体の安定性や良質でスムースな動きをつくるTRXやキネシスによる各種トレーニングと、歩く・走るなどアジリティ系の要素を向上させるためのトラックでの各種トレーニングを複合して提供することもしている。さらにユニークなのが、身体の多様な動きを楽しく身に付けられるように、広めのフリースペースでダンス系のグループエクササイズなどを提供したり、高齢者にもオリンピック仕様のバーベル演技台を使ったトレーニングを勧めるなどしていることである。料金は月1回のパーソナルトレーナーによるチューンナップセッションがついたコースが月150ドル、それがついていないコースが月120ドルである。トレーナーの名刺の裏側に「One Week Pass」と記されていて、招待客の名前などが書き込めるような欄がついていたことから、トレーナーが見込み客に直接セールスを提供していることがうかがえた。プライオボックスや高い天井から吊り下げられたロープのほか、砂場まであるZUM
元のページ
https://fitnessclub.jp/business/e-book/fb60/index.html#17