Fitness Business 60 ◎ May-June 201216注 目 の 動 きNews & Trends東日本復興チャリティイベント、全国各地で開催「命は宝」健康チャリティイベントレポート東日本大震災から1年経過した2012年3月11日、日本中、また世界中で震災復興イベントが行われた。フィットネス関係でも各地で様々な催しが開催されたが、17年前大震災を経験した神戸でも、未来につながるチャリティイベントが行われた。神戸から新しい支援を「3・11神戸からFitnessで支援の心を被災地へ『命は宝』健康チャリティイベント」には、全国から運動指導者、アスリート、ボランティアが多数集まり、盛大に催された。主催するチームBTB(Beyond The Border)代表の森西美香氏は、「本日の目的は『心と身体の健康を支援すること』『長期的・永続的な支援の仕組み』をつくることです。そのために現地で健康づくりを継続できるコミュニティがつくられるよう、支援先を明確にし、丁寧に届けられる方法を選びました。こうして集まってくださった一人ひとりの強みや想いをつなげ、被災地に支援の心を届けます。今生きている時間は、誰かが生きたかった時間。一人ひとりの笑顔が支援となります。楽しみ、生きる喜びを感じる一日にしてください」と挨拶した。この催しは、震災後に運動指導者が集まり、自分たちに何ができるかを話し合った結果生まれたものである。阪神大震災で全国から様々な援助を受けた経験者たちから出た、「『笑顔や健康を伝えること』『一滴の水でも集まれば大河になる』という言葉がある通り、みんなの力を集めよう。できる人が、できるときに、できることをしよう」との意見で始まった。第1回目は昨年6月に沖縄で行われ、400名が参加した。第2回目は10月に北海道で行われ、100名が参加した。そして、今回の第3回目は神戸で700名の参加があった。会場のコミスタ神戸は旧吾妻小学校で、体育館は17年前避難所として使われたところだ。イベントの実績を重ねながら「壁を取り払い、つながろう(Beyond The Border)」と呼びかけ、クラブ、インストラクター、お客さまと一体となって活性化に努めてきた。今回のイベントでは、エアロビクス、ヨガ、ダンス、フラダンス、体操、テコンドー、車いすバスケット、キッズダンス発表、マッサージ、運動講義、体力測定、消防署のAED講習も行われた。また、震災の時間に合わせ、東北地方太平洋沖地震被害者追悼の黙とうを行い、阪神大震災時につくられた『しあわせ運べるように』(作詞・作曲/臼井真)を参加者全員で合唱した。支援の輪を広げよう東北地方太平洋沖地震以降、被災地のお年寄りの足腰が弱っていると、宮城県南三陸町の調査結果がでた。元気だった人でも1〜3割が歩行困難になっているという。しかし運動支援はなかなか進まず、支援のスポンサーも簡単には集まらないのが現実だ。そこで、森西代表はじめスタッフは、あらゆるつながり、知り合いを通じ後援や協力を集めた。その結果、神戸市や一般社団法人日本フィットネス協会、財団法人健康・体力づくり事業団、他NPO団体などが名乗りを上げた。協賛にも大塚製薬や明治、セントラルスポーツ、グンゼスポーツなど多くの企業が参加した。宮城県岩沼市の仮設住宅の健康サロン運営をまとめるFIT-R代表NOBU高橋氏は、「現地の指導者もボランティアだけでは継続して活動することはできません。毎月『チームBTB』さんから支援金を送っていただいているのは、心強いことです」と感謝の気持ちを伝えている。当日は、「つながり体操」と命名されたエクササイズのほか、AED講習など、さまざまな催しが行われたチームBTB代表 森西美香氏
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