May-June 2012 ◎ Fitness Business 60159というキーワードは非常に重要になっており、共感マーケティングの重要性がより課題になってくるのです。この共感マーケティングの実践ステップには3つの段階があります。あなたのクラブではどこまでできているでしょうか?(表1参照)共感マーケティングのゴール「これからはファンを増やす視点をもつクラブが支持される」。ここがゴールです。根本的に、ファンを増やすクラブというのは、「どこに入会しても一緒」からの脱却です。つまり、ほかのクラブと何が違うのか? 何がよいのか? なぜあなたのクラブなのか?がお客さまに伝わっていることです。この根本を私は「館内セールス」から学びました。見学者100人連続入会を達成するために、この部分が非常に重要だったこともあり、自ら実践することで多くを得ることができました。その後も10年間、全国各地でコンサルティング活動を続けるなかで「どこに入会しても一緒」ではなく「このクラブに入会したい!」と、なる方法は何かを研究、実践してきました。ですから、単にビジネス書の一部分を抜き取って説明するのではなく、体験談をもとに具体策をお伝えすることができるようになりました。ビジネス書を読んでいる方は、USPなどについては幾度となく聞いたことがあると思います。ですが多くの場合、それ通りに行ってもうまくいかないことが多いのです。その原因のひとつに、先ほどの実践ステップの3段階において、どこかが欠落していることがあります。このステップを真剣に見直すだけでもあなたのクラブのファンは明らかに増えていくはずです。頭でもご紹介しましたが、「共感=ファン=あなたの強み・売り・よさを支持した人」です。より現場にわかりやすく伝えるならば、共感は「紹介入会数」や「入会率」「継続率」などに影響が出ます。例えば、ここ2年を振り返ると、周りのクラブの会員数が減っていくなかで増えたクラブというのは、紹介入会率が安定していたり、入会率が高いクラブというのが非常に多いのです。もっと頭を柔らかくして違う面からも考えてみましょう。漫画の『ワンピース』を皆さんはおそらくご存知でしょう。累計2億5,000万部、64巻初版400万部という日本一売れている漫画です。さんまさんやキムタクがTVで公言してからより多くの世代にも広まりました。これは「最高のかたちの共感マーケティング」だとは思いませんか? 『ワンピース』の作者は、さんまさんやキムタクに「宣伝してください」とお願いしたのでしょうか? おそらく「NO」ですよね。ビジネス書でも『ワンピースから学ぶ〜』という本がよく売れていますが、これも作者がお願いしたのでしょうか? 違いますよね。「誰も何もお願いしていないのに、紹介してくれる」のです。クラブでいいかえると、誰も紹介入会の制度をお知らせしていないのに、次々に口コミで聞きつけてクラブに入会へ来る状態です。特典もありません。見返りもありません。これが「共感マーケティング」です。10年前の新規入会者の影響力は、現在ではその10〜100倍の影響力になっているでしょう。それは先ほどもお伝えしたとおり、ブログ・Twitter、Facebookなどで誰もが「情報発信」できるからです。ですから、この共感また、スタッフには「私たちのクラブは何がほかのクラブと違うのか? 何がよいのか? なぜ私たちのクラブなのか?」がお客さまに伝わっている状態をイメージしてもらうことが大切です。これは他業種のほうが頭に描きやすいでしょう。例えば、サービス日本一のホテルといわれる「リッツカールトンホテル」、夢と魔法の国「ディズニーランド」は「何がほかと違うの? どうよいの? なぜそこなの?」の質問に、リピーターの方なら答えられると思います。これこそが「ファンを増やす」を実践できている特徴なのです。お客さまがこの問いに答えられるようになるとベストです。研修の順番でいえば、「スタッフが答えられる」→「お客さまが答えられるようになる」としていくことが大切です。つまり、スタッフに聞いてみて自クラブのことがわからない状態をなくすことがポイントです。まずは今日ご紹介した共感マーケティングについてスタッフと話してみましょう。現場では、まずは自分たちの売り・強み・よさを再確認してみましょう。また本気で取り組みたい方や業積をなんとかしたい!という方は表2の5ヶ条を真剣に見直すといいですよ。この5つをクリアしていくと「ファンを増やすクラブ」にグンと近づきます。これを踏まえたうえで、ここ数ヶ月連載させていただいたものをぜひ見直してみてください。意図的に2012年以降に重要になる課題“ファンづくり”に関係することを書いています。そして今回の通巻第60号で「大切な5ヶ条」までをすべてお伝えし、復習できるようにしました。ファンづくりにお役に立てば幸いです。ご相談などは携帯またはメーにてお気軽にご相談ください。ではまた次回!会員獲得実践塾◆表2 ファンを増やす5ヶ条◆表1 共感マーケティングの実践ステップ1.ほかのクラブとどう違うのか? を USPにする ↓2.USPと「売り・強み」を連動させる ↓3.現場で伝わる方法を実践する ↓ 共感が生まれていく!1.本当の価値を伝えていますか?(本誌通巻第56号参照)2.信頼構築できるサービスになっていますか?(本誌通巻第57号参照)3.商品か人について口コミが起こっていますか?(本誌通巻第58号参照)4.お客さまに売り・強みが伝わっていると実感できていますか?(本誌通巻第59号参照)5.共感が生まれていますか?(本号参照)
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https://fitnessclub.jp/business/e-book/fb60/index.html#159