May-June 2012 ◎ Fitness Business 60149ネスができるというコンセプトのもと、入居者が集まっています(写真参照)。提案2.ソーシャルフィットハウスフィットネススタジオやジムがシェア部分に入っているソーシャルアパートメントです。米国では半分以上のマンションにフィットネスルームが付帯していますし、日本でも増えてきています。通常のマンション付帯のフィットネスエリアは利用者のモチベーションが低いので企画倒れになるケースが多いのですが、フィットネスをコンセプトに集まっている住民が中心であれば話は別。フリーのインストラクターである住民が運営するジムなどがあり、スタジオは息の長い運営ができて、地域への密着度も高まります。提案3.シェアラボこちらをご説明する前に、まずはコワーキングスペースについてご説明しましょう。シェアオフィスは昔からありますが、最近欧米で注目を集め、国内でも増えているオフィス形態が、このコワーキングスペースです。シェアオフィスの場合、事務所スペースは個室ですが、これはむしろオープンで、「共有の仕事場」を提供するスタイルです。会議室、ラウンジ、コピーなどの共同利用はもちろんですが、大きなオープンデスクを共有する場所もあり、いわば、ラボ的、インキュベーションセンター的なイメージです。手軽に仕事場をもつことができ、起業独立への足がかりやクリエーターなどの共同作業を前提とした仕事の人脈、コミュニティづくりに適しています。プロジェクトの共有や、コラボレーションなどが活性化してくれば、ひとつの組織のように認識され、ブランドとして定着されるものも現れています。シェアラボとは、プログラムの研究開発拠点としてのコワーキングスペース(シェアオフィス)であり、世界に向けて日本のコンテンツを発信していくラボのことです。イメージは、フィットネス商品やインストラクターへのエアロビクスミュージックを販売している株式会社ブラボーグループさまが、スタジオ、ジムをラボの場所として運営し、インストラクターやクリエーター、デザイナー、バンカーなど業界を越えた人材が会員となって共同作業でプレコリオやダンスプログラムを開発するようなものです。販売先は、業界はもとより、カラオケ、介護施設、クラブそしてソーシャルゲームのDeNAなどにも提供し、幅を広げていくのです。提案4.シェアフィットネス目黒にあるホテル「クラスカ」は、1階にカフェ、フロント、ショップがあり、2階にギャラリーやパーティーに使う多目的スペースがあります。そこではイベント的にヨガやフィットネスが行われており、人気となっています。シェアフィットネスとは、これを継続的に運営していくイメージです。場所は、ホテルの宴会場をジムやフィットネスにリニューアル。運営としては、ホテル、カフェやレストランとの共同運営的コワーキングで、新しいコンセプト、アイテムを提供し、ともに運営をしていくイメージです。星野リゾートのウェルネスプログラムのお手軽番的に、食、運動、休息など総合的なサービスで、宿泊しながら健康になれるようなウェルネスプログラムなどを提供することで、ブランドイメージをつくっていくこともできます。提案5.フィットネスモールこれは、メディカルモールの利点をフィットネスに取り入れたものを指します。メディカルモールとは、歯科、内科、外科、婦人科など専門性あるクリニックをテナントとしてモールのように集めた施設で、いわばシェアオフィスのクリニックバージョンです。総合病院的にワンストップで異なる診察が受けられる利便性が魅力です。総合病院のような規制が少ないうえ開業しやすい点もあり、普及しつつあります。クリニック側は医療事務経費の共有や、相互利用のメリットもあります。これをフィットネス業界に当てはめてみましょう。スタジオ、ジム、サーキット、カルチャー、カフェの部分は専用スペースとして各テナントに入ってもらいます。そして、受付、ロッカー、シャワー、トイレ、スタッフルームなどは共用スペースとしてフィットネスモールをつくります。会員は単体のエリア、ゾーンに帰属して利用し、複合的に使いたい場合は個別にメンバーになります。メンバーのメリットは、総合フィットネスよりも専門性の高い運営者が集まることで、質の高いプログラムが利用できること。運営者もロッカーやラウンジなど、充実した共用部分を共益費程度でシェアでき、販促としてメリットがあります。カルチャー教室的な枠取りによるタイムシェアや、販促や、webなどもシェアすることでコストを抑えつつ、違った市場へのアプローチもできます。提案6.ダンスボックス(カラオケボックスとのシェア)カラオケビクス協会が発足したほどですから、カラオケとフィットネススペースのシェア(また融合)は時間の問題でしょう。カラオケボックスの一部を小さめのスタジオにし、JOYBEATや初音ミクのコンテンツ、またはエグザイルの振りで、少人数やおひとりさまでダンスエクササイズを行います。プレコリオの練習にもうってつけです。地方のカラオケボックスではフリードリンクのことが多いのですが、このダンスボックスも同様にします。すると、水以外のフリードリンクは業界初となるのではないでしょうか。営業時間もフィットネスよりは長いので、時間を選ばずフィットネスができるのも利点です。夜に活動する市場を開拓することができます。今回の提案は、実はすべて実例があったり、企画として実際に動いており、私も関わっているものもあります。つまり、シェアは市場や業界としても可能性を見出している状況なのです。施設創造スタジオとしても使用可能なアパートメントのラウンジ
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