May-June 2012 ◎ Fitness Business 60143高揚を指します。これには、フィットネスクラブを利用すると「楽しい!」と感じられる爽快感や達成感が得られる環境(施設管理、演出)づくりが必要です。イベントスケジュールを作成し、毎日のように小さなイベント(感動)を提供しましょう。例えば、9日と29日(にくの日)にウエストを測るイベント行います。そして9日に86センチだったら、29日までには85センチになるようにアドバイスします。そのほか、イベントのお知らせやフィットネスセール、健康豆知識や近隣の提携店の情報など、お客さまに役立つ情報をタイムリーに提供することも大切です。「経験・成功事例の提示や掲出」(会員さまの体験談や過去の効果の実績の掲出)とは、会員さまや見学・体験者が見てセルフイメージが広がるような、会員さまの体験談や過去の効果の実績を掲出(経験)することです。データ(体重やサイズ、写真)が掲出されているお客さまが一生懸命トレーニングしていれば、周囲の方も大いに刺激を受け、「私もやらなくては」という気持ちが沸々と湧いてくるはずです。⑤「オウム返し」復唱からの強調法お客さまから聞いたことや目標をメモする際には声に出して復唱しましょう。「ウエスト−5センチですね!」「体重−5Kgですね!」と、改めて口に出して言うことで、お客さまは強く意識し、その目標をクリアしたいという気持ちが強まります。会話はトレーナーが常にリードし、数字や要望は必ず復唱しましょう。復唱することで強調され、頭に強く残るのです。⑥ 類似感=安心感コンビニフィットネスでは、会員さまの体験談や過去のダイエット、肩こり腰痛解消の効果の実績の掲出(経験)をインフォメーションとして貼り出し、また会員さまの生の声をクラブに寄せていただき、写真入りで紹介しています。それを見た見学・体験者は、自分と同じような悩みを抱えている人がいる、自分と同じ境遇の人がこのクラブに通っているという類似性を感じ、親近感や安心感が湧き、自分もこのクラブの輪のなかに入りたいと思うようになります。⑦「IF+5W1H」のセールストーク「IF」とは、「もし、入会をしたら(仮定の話)」、「5W1H」はWやHから始まる言葉の頭文字です。what(何がしたいか)、Why(なぜここに来たか)、when(いつから始めたいか)、where(どこから通ってくるか)、who(一緒に来る友だちがいるか)、how(どのような使い方をしたいか)を指します。体験が一通り終わったら、まず「いかがでしたか」と聞き、「よかった」という反応があれば続いてすぐに、「(もし入会するとしたら)何曜日に通えそうですか」「今日体験したなかで、何を続けて使いたいですか」「ここまでどうやって通われますか」「一緒に通いたいお友だちはいらっしゃいますか」「どのような利用の仕方をしたいですか」など、「(IF=もし)入会するとしたら」という仮定の話と断ったうえで、いろいろ体験者の要望を聞いていくようにしましょう。すると、会話が弾み、入会の可能性も高まります。⑧ 肯定→否定→肯定会話では、お客さまのやる気をより引き出すために「肯定→否定→肯定」のテクニックを使うと、よい印象が強く残ります。以下にいくつかトーク例を挙げます。「フィットネストレーニングは、運動不足の解消につながります。器具やお金がある程度かかり、無料ではありませんが、その分効果が確実に出て、シェイプアップに最適です」「コンビニフィットネスには、リラックスするために来る会員が多いです。確かにプールはありませんが、その分水着に着替えたり、濡れることなく運動でき、しかも同じような効果もあって、短時間でストレス解消が可能です」⑨ チェンジ・オブ・チェア(ライフサイクルを置き換えて考える)「チェンジ・オブ・チェア」(イスを取り換えてみる)とは、相手の立場になって考えることです。「もし入会したら」トークの折、「通われるとしたら、週のうち何曜日と何曜日に来られそうですか?」と聞いたとします。お客さまが「来られるとしたら、水曜日と金曜日かなぁ、あとは土曜日ね」と答えたとしたら、「それ以外の曜日は何をしていますか」と聞きましょう。このように、お客さまの生活リズムを把握するように心がけるのです。「陶芸教室」「親の介護」「子どもの世話」など、自分が経験したことであればお客さまの気持ちが十分理解できますし、たとえ経験がなくても、「自分だったら」と考えながら接客することでアドバイスの幅が拡がります。⑩「今」の必然性先ほど、「フューチャーページング」として、お客さまに未来のページをつくってさしあげることの大切さを述べましたが、その未来の目標を達成するためには、「今日からスタートするしかない。今このタイミングを逃すと、未来の輝かしいページを開きそびれるかもしれない」と、強く認識してもらいましょう。フィットネスクラブの会員になろうと思って来られる方は、実は自らは目的意識が薄く、自主的には行動を起こせない人が多いのです。よって、お客さまの欲求を満足に導くには、今回ご紹介した心理的アプローチのテクニックを駆使し、即日入会していただけるように導くことが大切です。会員定着セルフイメージが広がるインフォメーション例
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