Fitness Business 60 ◎ May-June 20121224本レッスンを提供。7回開催。※当時法人は週に1回規制があったため複数回は開催できなかった【フィットネスクラブ広尾】② 外国人が多いクラブのため、街自体に外国人がいなくなり帰国のために退会される方もいた③ 会員さまの安否確認と、短縮営業についてのお知らせとお詫びとして、過去2ヶ月で週1回以上の来館が継続的にある方全員へ電話④ 毎月の全体研修時を利用して、全スタッフで地震の際の避難訓練を行っております。⑤ 今までの指示系統を見直し、全スタッフの配置を指定しました。 ⑦ 寝袋や毛布等を追加⑧ 電球を間引き。震災後は、点灯する場所を指定し、営業に支障のでない最小限の電気で営業。5日間ホットスタジオの営業休止⑨ フロント前に募金箱設置(現在も継続中)。ニコニコ基金 来館1回につき25円を福島県に寄付。今年の3月にも実施。Topics フィットネスクラブがとるべき震災対応昨年の震災では、東北地方にある多くのフィットネスクラブも建物が損壊するなどの被害を受けた。再び地震が起きた際に被害を最小限にとどめられるよう、これからどのような対策をとるべきなのか。一級建築士である株式会社オ−エルシージャパン代表取締役佐々木康昌氏にきいた。津波で大きく被災したスポーツアカデミー石巻がこの5月にオープンしました(写真参照)。私も復旧に関わりましたが、津波による被害は、地震のみの被害とは違い復旧には時間がかかります。災害対策は起きる前にしかできません。震災の教訓を活かし、災害を少しでも少なくする対策は緊急の実行課題だと考えています。最近、震度7の東海トラフ、首都直下型地震が向こう4年間に、70%の確率で起きると報道されています。最悪のシナリオはこの2つの地震がほぼ同時に起こるケースで、その場合の津波は6都道府県で20m以上にもなります。ここではこの規模を想定し、被害を最小限にするための「減災」への対応を提言させていただきます。施設における初期被害としては、大きく下記の4つが想定されます。1.建物の崩壊、破損、2.器物の転倒、3.火災、4.津波、液状化などの2次災害。これらを以下に検証していきます。1.建物の崩壊、破損への対策(1)耐震補強阪神淡路大震災の際は建物がつぶれたり、倒れたりの被害が多くありました。直下型地震はドーンという強い衝撃が来ますので、建物の強さが大事です。1984年以前(新耐震以前)で3階建以上の施設なら、まずは耐震診断を受けることをお勧めします。また、1階がピロティになっているような施設も柱が折れたり、裂けたりして1階がつぶれる可能性が高いです。補強方法として、柱に繊維状のテープを巻く工法などは音もほとんど出ませんので、営業中でも工事可能です。耐震補強にはほとんどの自治体が補助金を出しています。(2)天井落下対策テントや、スイムライトのような軽い材料に変更しましょう。落下防止と落下時の減災に効果的です。天井内の振れ止め強化:地震時の揺れ、特に天井裏に1m以上の空間ある場合は、振れ止めの対策が必要です。天井の落下事故のほとんどが振れ止めが不十分だったことが原因です。もし振れ止めがない場合は、斜めの振れ止めをすぐに設置しましょう。天井内の換気:プールの天井付近は高温多湿になるため結露も起こりやすく、落下の危険性があります。ティップネス宮崎台の天井落下事故は、天井内結露により、金物が劣化、結露水を含んで重くなったことが原因と推定されます。天井内の換気ができているか確認し、ファンなどを設置しましょう。なお、休館日にファンを止めたため、落下したケースもありますので、運用面でも注意が必要です。天井はつくらない:新設であれば、天井はつくらない方向での設計もいいでしょう。その場合、空調には除湿目的のデシカント空調機を併用して設置すると、錆防止や建物へのダメージも少なく、効果的です。(3)ガラス、鏡の破損対策飛散防止フィルム:震災時に割れて散乱すると危険です。仕切りのガラス、スタジオのガラス面には飛散防止フィルムが必須でしょう。特にスタジオのガラスは、裸足で行うレッスン時に地震が起きた場合、被害が大きくなります。浴室や、避難経路にからんでいるガラス面も同様です。スタジオの鏡は株式会社オーエルシージャパン 代表取締役 佐々木康昌氏
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